続・もらとりあむ党

アラサーOLのいろいろ。デザイン、旅、、エトセトラ。

忙しい人の時間の使い方

先日、日本IBM株式会社に行ってきました!!
今回は、同社理事兼WebSphere事業部長である伊藤久美さんにインタビューしました。

インタビュー自体は、i.schoolのワークショップで発案したサービスの評価をしていただくことがメインの目的だったのですが、
時間の使い方に関するサービスのプロトタイプを作っているため、
伊藤さんには時間の使い方や管理の仕方についてもたくさん伺うことができました。

なので、ここでは私が個人的に心に残ったことや、
実際に役に立ちそうだと思ったものを紹介しようと思います。


  • ワーク・ライフ・インテグレーション

まずは、IBMでバリバリ働く傍ら、
母親としてジャズ歌手としても大活躍するたくさんの顔を持つ伊藤さんに、
仕事とプライベートをどうやって切り分けているのか伺ってみました。
すると、意外な答えが返ってきたのです。

IBMでは、昔は『ワークライフバランス』を掲げていましたが、
今は『ワークライフインテグレーション』を掲げています。
仕事とプライベートは一見別もののように見えて実は、『融合』しているんです。

仕事のアイディアというのは、いつ思いつくか分からない。
風呂にゆっくり浸かっているときかもしれないし、飲み会のときかもしれない。
いつでも、そのモードになったときにメモする・・・というように、
ある程度の融合してしまうことも大事ではないかということですね。

『メリハリをつける』っていうよりは、
子供と遊んでるときに仕事のことを思い出したり、
仕事をしているときにちょっと週末の予定を考えたり・・・それでもいいじゃないですか。
『頭の中が多様化』しているってことだと思います。昔と比べてあまり切り分けなくなりましたね。

だからといって年がら年中パソコンを持ち歩くわけにもいかないので、
休みの日はPCもたないようにしていますね。(笑)」




私はワークライフインテグレーションという言葉を今回初めて聞きました。
仕事とプライベート、どうやってバランスをとるかに焦点を当てがちですが、
どちらも自分自身の一部として捉えた上で、
憂鬱じゃない程度に融合できれば何をしているときでも毎日が楽しくなりそうですね。


  • 通勤時間を有効活用

キャリアウーマンの傍ら、ジャズ歌手という顔も持つ伊藤さん。
その練習は、通勤時間なんだとか。

例えば、
家から駅までの原動付き自転車に乗りながら、ジャズの曲をフレイジング(口の中で転がす)練習。
電車では、歌詞こっそり口ずさんだり、歌詞やその意味の確認。

他にも電車の中で、撮り溜めていたpodcastを聴いたり、本を読んだりとやることはたくさんあるとのこと。

「通勤時間はとっても貴重です。

会社にいる時間はオンだとすれば、家に帰ればオフ。
オフといえども、家事に子育てと家に帰っても大忙しです。

そんな中で自分だけのために時間を使えるのが通勤時間。

通勤の時間というのは、「周りにたくさん人はいるけど、個人の時間」とも捉えることができます。
そう、ある意味とっても楽しい時間なのです。」

しかし、これを意識している人は意外と少ないんだとか。
また、通勤時間でなくても「干渉が来ない場所をつくる」ことは重要だとも。

なかなか本当に自分に投資する時間というのは、とれないものですよね。
それを通勤時間で確保してしまうというのは驚きです。

私自身もそうなのですが、逆に通学・通勤時間が短ければ、本来その分時間が取れるはずなのですが、
到着したらしたでなかなか自分のためには時間を割くことはできないので、
返って通勤時間の長い人より損しているんじゃないかという気になってしまいます。
しっかり意識して時間を確保することが必要そうです。


  • メール「受信ボックス0作戦」

アドミ作業、特にメール処理は、まとまった時間は費やしない。
隙間時間を有効活用するのが伊藤さん流。

彼女はスマートフォンをフル活用していて、
iphoneを個人用、blackberryを会社用として所有しているそう。

「どちらにも会社のメールが来るようにしていて、
メールを受信したらその場その場で処理しています。
メール溜めていること自体がストレスなので、猛然と処理してますね。」

ここで、伊藤さん流メール処理の方法、名付けて「受信ボックス0作戦」をご紹介します。


▼返信のいらないもの
1見るだけで済むもの→見てその場で捨てる。
2見るだけでいいけど保存したいもの→【保存フォルダ】へ移す

▼要返信のもの
3数秒で返信できるもの→その場で返信→【返信待ち】or【保存】フォルダへ
4誰かに振る場合→メール「○○くん、お願い」→【返信待ち】フォルダへ
5考える必要ありなもの→【要処理】フォルダへ


とにかく一回メールを見たらすぐにアクションを起こすことがポイントです。
時間ができたときに要処理フォルダを一つずつ処理します。

「処理と思考を切り離しているので、迷うくらいなら要処理に移してしまいます。

例えば…

・ややこしい人への返信
・10行以上の英語

なんかは要処理に入れてしまいます。

飲み会や講演のお願いなどは返信が遅いと相手が困るから、調整ごとは即効返信しますね。
常に相手の次のタスクを考えています。早く返信しないとどうなるか?次に相手は動くか?ですね。

こういうことを続けていると、信頼が形成されるので、少し遅くなったとしても逆に心配してもらえたりしますね。
普段の心がけが大事だといえますね。」

普段できていないことだらけで私は耳が痛いです(笑)

  • 管理と記録と発散:アナログとデジタルの使い分け

スケジュール管理は、iphoneとPCで。google カレンダーを使用しているそうです。
その他にも、お気に入りの手帳とノートを持ち歩いているんだとか。

どう区別しているのか尋ねてみました。

「お気に入りの手帳は、エルメスのカバーなんですよ。一目惚れで。カバーが気に入ってしまったので、このカバーに合う中身を探していろいろ試して使っていました。
こっちは主に、スケジュール管理ではなく、過去に起こった出来事を記録しています。日記に近いですね。」








一方、moleskinの大ファンだという伊藤さんは、アイディアノートとして、モレスキンのノートを使用しています。

A5サイズのモレスキンノートを愛用しているそうです。
方眼罫が伊藤さん流。


「このノートは、アイディアを発散させて広げるために使っています。
このサイズもこだわりで、小さいとアイディアも小さくまとまってしまいそうな気がするんですよね。
会社にいるときは、白い紙に一気にがーっと書いてしまうことも多いです。」

長年のモレスキンファンだそうで、
使用しているところをブログに書いていたらファンサイトに取り上げられたという逸話があるほど。
本にもなっています!

モレスキン 「伝説のノート」活用術〜記録・発想・個性を刺激する75の使い方



他にもここに書ききれないくらいたくさんのお話を伺うことができました。

伊藤さんの話を聞いていて、ちょっと工夫することで毎日が楽しくなる、人生が楽しくなるんじゃないかと思いました。エルメスじゃなくてもいいから、私もお気に入りの手帳を見つけたいなー、とか、モレスキンノートをうまく使いこなしてみたいなーとか・・・妄想は膨らむばかり!

5月に講演を聞いたときも思いましたが、伊藤さんは一貫して、世の中に対して食らいつくというよりも、ある種の諦めというか、理不尽なことも含めてすべてを受け入れる体勢が備わっているのではないかと思います。その上で、自分なりに生きる、むしろその逆境でさえも楽しさに変えてしまうような力。女性のキャリアとしてパイオニア的存在にある彼女だからこそなのかもしれません。ちなみに伊藤久美さんのライフキャリアについては、以前講演を聞いた感想をこちらにまとめています。

続*moratorium党:キャリアを築く上で大事にしたいこと



今回はインタビューの文字起こしを編集したので、
インタビュー記事っぽいブログになってしまいました・・・
が、これを読んだ人がちょっとでも参考になれば嬉しいです。

研究分野と成果のお話。

9/17-19まで日本教育工学会首都大学東京に行ってきました。

発表はしませんでしたが、今回が初めての学会で、
3日間朝から晩までアカデミックな世界にどっぷり浸かることができました。


実は父の影響でこれまで理系(生物系)の学会には、足を運んだことがありましたが、
全く未知の領域の専門用語を、しかも英語で発表しているから、
何がなんだかちんぷんかんぷんで、
学会というのは、小難しくて大変な場なのだなーという印象を持っていました。

でも、この度、自分の専門領域の学会に参加したことで、
アカデミックな場として、やっと「居場所を見つけられた」気がするし、
今自分が行っていること自体にもすこし意義を見いだせたと思います。
また、自分の近い将来の姿(まずは1年後)を想像することができたのも良かったです。





*成果の出るタイミング

私の拙い理解でしかないけれど、
教育(や教育の研究)というのは結果が出るまでに時間がかかると思います。
たとえば新しい教材を開発して、それを実践するのには大変な時間がかかります。
特に修士研究であれば、2年間の中で一つの実践を行ってそれが修士論文になるというような。。
私の周りだと大枠で捉えればそんな感じです。

そうなると、修論を書き上げるまでは、
人様の前で発表することができないんじゃないかと思っていました。


一方、

私の所属する学際情報学府では、情報(メディア)に関する様々な研究をしている方がいるので、
同期の友人たちと研究の話をしていて噛み合ないこともしばしばあります。

たとえばメディア研究をしている学生さんだと、M1の今の時点で既に映像の分析を始めていて、
量や質はともかく、何かしらの「成果」ないしは「結果」が出ている方がいます。

他にも、理系でプログラミングをしている学生であれば、
一つ完成するごとに論文が書ける、成果が残せる。
さらに言えば同期のM1でも、海外の学会で発表している方も何人もいます。



そういった話を聞いて、私は正直とても焦っていたのだけれど、
学会に参加することによって、
分野によって研究の進み方、進め方というのは全く違うものであり、
私は、私のいる領域の中で自分らしく頑張ればいいのだということに気づかせてくれました。


今回の教育工学会での発表では、一つの完結した研究の発表だけではなく、
極端な話、データがまだない状態でも、研究の構想の発表を行う方もいらっしゃいました。
どういった背景からその研究がなりたち、どういった実践を行い、データの取り方をどうするのかなどなど、その構成だけでも、ある意味で一つの成果と言えるのかもしれません。
それに、それだけを聞いていても私自身とても参考になりました。
もちろん発表するにあたって、それがいいかどうかはまた別の話ですが、
この分野の一つの発表体系としてはありなんだな、と気づくことができました。




私自身も、今年の11月に北京で所属する学際情報学府の代表の一人として、
研究成果を発表することになっています。

他の研究をしている学生さんと違って私は成果もないのに発表なんてどうしようと、
途方に暮れていたので、これは一つ自信につながりました。


これからは肩の力を抜いて、私は私らしく研究を進めていこうと思います◎
(もちろんこれはさぼるという意味ではありませんよ笑)